手術の当日です。
とは言え、この記事を書きだしたのは術後10日を経てからです。
空白の10日間は、後追いで記事にしていきます。

朝、8時に妻が来てくれました。術後は、バスタオル5枚、タオル5枚、吸飲み、ティシュしか持ち込めないので、その他の入院荷物を託します。
オペ室の看護師がやって来て、手術着に着替えたり準備が進められました。
「無事に帰ってこれるか。。。」内心では思っていても口には出さない。
妻は、さすが才女。割り切って淡々としたものである。
8時30分。
ストレッチャーに乗せられ、オペ室への移動が始まりました。
家族とは、一般病棟のエレベーターでお別れです。何故か分かりませんが、ここで「お別れ」なんだそうです。お手振りして「お別れ」しました。でも、家族はその後にオペ室の並びの家族控え室で、手術が終わるのを待つことになるのですがね。。。

手術室は、カテーテル室とさほど変わらない雰囲気です。照明が多いな位の違いです。
昨日のオペ看との話で、希望の音楽を聞かれ、J-POPと言っていたが微かに聞こえる程であまりリラクゼーション効果は無かったです。こんなことなら、最初に冗談で「軍歌でお願い」で行けば良かった(^^)

少しの作業の後、深い眠りについたようです。ここからは、自分の意思は事前に告知した事以外は何も採用されません。
ただ、横たわり手術を受けるのみでございます。

何時間、いや何日もありえるかもしれない術後の昏睡が過ぎたかは分かりません。
術前は、どのような夢を見るのか楽しみでもあり、心配してくれている妻や娘ではなく、元カノとかの夢だったら「申し訳ないな」などと思っていたのですが、実際は、リハビリの時に見せられた「腹式呼吸」と「胸式呼吸」のパンフレット。静止画で、前に進まない。何度も何度も前に進まない静止画の繰り返しの後、やっと進んだ先にオペ看護師の呼びかけの声が聞こえてきました。

もし、この時に三途の川を渡っていたら(最後に見た?と言うのか)誰が作ったか分からない呼吸法のパンフレットが最後だったかと思うと、広告デザインを長年仕事にしてきた私としたら無念であったろう(^^)

目を覚ますと、妻が目に入り、ICUの中だと分かった。
帰ってこれた。手術成功だと思った私はまだまだ甘かった。
ここから6日間の闘いが始まることをこの時はまだ実感していなかった。